コイサイド

鯉の池の隣にあるからコイサイド
築50年の民家をDIYでリノベーションしたコイサイド。建物の隣には、この地域で古くから食されてきた鯉の養殖池があります。鯉の隣なのでコイサイドです。この地域で生まれ、自動車関係の企業で働いていたオーナー・河野光也さんが、地域を盛り上げたいと、鯉の養殖業を引き継いだところからコイサイドのストーリーは始まりました。
この地域では昔から、栄養の豊富な鯉はよく食べられていました。身を洗いにした酢味噌和え、アラを味噌で煮込んだ鯉濃(こいこく)、うろこの唐揚げなどこの地域では、家庭で普通に食べられていました。昭和のころまで盛んにおこなれていた養殖業も、度重なる水害で浸水被害を受け、鯉が流失してしまうなど苦労の連続。次第に下火になっていました。
Uターンし、家業の家具屋を引き継ぎながら、新聞配達などで地域を支える活動をしていた河野さんは鯉の養殖にチャレンジすることになりました。ほとんど放置されていた池を再生しながら、稚魚からの養殖に取り組みました。成魚になるまで、5年ほどかかるなど手間がかかる仕事ですが、小さな頃から川遊びや鯉釣りをしていた河野さんにとっては、自然な選択でした。
仲間と共に自然素材でDIY
鯉の養殖場の隣に一軒の民家がありました。この家は、河野さんが通った小学校の校長先生の家でした。家では、そろばん教室も開かれ、河野さんたち多くの子供たちがここで、学び遊びました。家の裏は、アユやウナギが釣れる出羽川が流れています。河野さんにとっても思い出の家でした。
持ち主の親族に相談したら「地域のために使ってほしい」と、無料で借り受けることになりました。ただ、鯉の養殖も多額の経費をかけるわけにいきませんので、DIYでの改修を決意。地域おこし協力隊で、古民家の改修に取り組んでいた大畠晋也さんの協力を得ながら、約2年の歳月をかけて改修しました。
一階は、和室の天井や壁を取り払い、ふすまがあったところは土壁をつくりました。玄関は石州瓦をタイルのように切って埋め込んだり、押し入れを2段ベッドに改造したり。ベッドも端材のヒノキを活用してつくりました。
「雲海モーニング」始めました。
いまでも新聞配達を続ける河野さんは、コイサイドの近くの山に早朝に車で出かけ、集落を覆うように発生する雲海を見るのを楽しみにしています。宿泊者にもこの絶景を見てもらいたいと、「雲海モーニング」を始めました。雲海の上に、中国山地の山並みが顔をだします。そんな眺めを楽しんだあとで、いただく朝食は格別です。
河野さんは「何にもしなかったら、人が減るだけでこの地域も廃れてしまう。だめで元々というつもりでいろんなことに挑戦していきたい」と話しています。

